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経営資金とは別?経営者の個人資産とは

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企業の経営状況によっては、個人の資産を経営に回したい…という場面が出てくるかもしれません。こうしたケースで、個人資産を経営に回すことは可能なのでしょうか?ここでは、経営資金と個人資産の考え方についてまとめてみました。

基本的に「経営活動と個人のお金は別」

企業の資産とは、企業の経済活動によって生み出されたキャッシュ、土地・建物・設備といった所有している財産を指します。一方で個人資産とは、預貯金・株式・投資信託・保険・小切手といった金融資産と、不動産・自動車・貴金属といった実物資産の総称を指します。

2つの資産には重複している部分があり、比較的規模の小さな企業や個人事業主の場合、そのあたりの線引きがあいまいになっているケースが見られます。しかし、基本的に「企業の資産と個人資産は別物」となります。

経営者における個人資産形成の重要性

経営資金とは別に、経営者は自身の個人資産をきちんと形成していく必要があります。その理由のひとつは、事業がピンチに陥った際のリスクヘッジとしてです。

中小企業や個人事業主の場合、取引先がひとつに集中していたり、利益率が悪いなどで、収益構造がアンバランスになっているケースが多々見られます。この場合、どこかひとつが破綻すると事業が立ち行かなくなることがあり、資金調達に追われることがあるのです。しかし、経営がピンチに陥ってから資金調達をしようとしても、うまくいきにくいのが世の常です。

ただ、経営者の個人資産でそのピンチをなんとか耐えることができれば、事業を無事後継者に承継できたり、新しい案件を獲得できるチャンスに恵まれるかもしれません。こうした事態に備えるという意味でも、個人資産の形成は重要であると言えます。

中小企業の中には、節税などを考慮して「経営者に決まった給与を支給していない」「給与額を少なめにしている」というケースが見られます。創業時で資金的に厳しい時期は仕方がないかもしれませんが、ある程度経営が安定してきたら役員報酬の額を相応に上げ、資金形成に努めていくべきでしょう。

リタイアのことも考えて資産形成をするべき

経営者や個人事業主には定年がないため、退職金もありません。場合によってはずっと現役で働くことも可能ですが、「早めにリタイアして残りの人生を悠々自適に過ごしたい」「健康不安もあるため、事業を後継者に譲りたい」といった場合、リタイア後の資金が必要となります。とくに公的年金が期待できない時代となっているため、とくにリタイア後の資金計画は重要であると言えます。

もし50歳でアーリーリタイアを考える場合、年金支給が開始されるまで15年間は無給となります。年間の出費が500万円だとすると、65歳までに必要な資金は7,500万円。さらに、年金が支給された後の生活補填のことを考えると、1億円は確保しておかないと不安が残りそうです。

M&Aによって個人資産を増やすことが可能

いくら経営者と言えど、リタイアまでに1億円の資金を形成するのは至難の業。しかし、M&Aで企業をうまく売却できれば、数十年かけて形成するほどの資産をたったの数ヶ月で達成できることもあるのです。

税務上の大きなメリット

オーナー社長がM&Aで株式譲渡を行った場合、譲渡益の約20%のキャピタル税(株式譲渡益課税)が課せられることになります。経営を続けることで得られる役員報酬は、所得税や住民税などの税金で20%では済まされないため、個人資産の面でも大きなメリットと言えます。

資産形成だけでなく新ビジネスも期待できる

企業の利益率にもよりますが、M&Aで企業を売却できれば、億単位の創業者利益を得られることがあります。創業者利益とは、経営者が持つ企業の「資本と株式資本」から「売却益」を引いたものです。

この利益をどう使うかは経営者次第となるため、利益を活用して新しいビジネスを展開することも可能。なかには創業者利益を使って本当にやりたかった事業を立ち上げるなど、長年の夢を叶えた経営者も見られます。

M&Aで老後資金を調達

定年のない経営者・個人事業主は生涯現役で働くこともできますが、やはりリタイア後の資金も考えておきたいところ。とくに人生100年時代と言われている現代ですから、リタイア後の資金はあるに越したことはないでしょう。

さまざまな理由で行われるM&Aですが、老後資金の調達のためにこの方法を選ぶ経営者も少なくありません。M&Aで企業を適切に売却できればリタイア後の第二の人生を余裕をもって過ごせるようになりますし、事業承継問題や個人保証・担保からも開放されます。

編集チームより

年齢や人生の目標によって個人資産の使い道は異なりますが、人生を充実させるためには個人の資産形成は重要です。
M&Aを行う際には、こうした経営者個人の資産についても信頼できる相談先の見極めが条件のひとつと言えるのではないでしょうか。

監修コメント
ABNアドバイザーズより
ABNアドバイザーズ澤田様

ABNアドバイザーズ株式会社/澤田氏

M&Aの成功にはタイミングの見極めが重要

個人資産形成による経営面でのリスクヘッジや、リタイア後の資金形成など、さまざまなメリットがあるM&A。しかし、M&Aで企業を売却する場合、そのタイミングの見極めが非常に重要です。売り時を見誤ると思ったような金額で売却できなかったり、最悪の場合譲受企業が見つからないというケースもあります。

M&Aによって高値の売却利益を手に入れ、事業承継問題などを解決し、さらにハッピーリタイアを実現したいと思うなら、ベストタイミングでのM&Aを実現させなければなりません。そのためには、業績をアップさせて企業価値を高めることはもちろん、M&Aのプロに相談して売却のタイミングを見極めつつ進めていくことが重要です。

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